韓国のボトックスは安全ですかあ?
ボトックス注射を受けたことがある方や、韓国でボトックス注射を受けようと思っている方は、製品ブランドごとにどんな違いがあるのか気になったことがあるのではないでしょうか。
なんでボトックスより安いんですかあ?
韓国のボトックスは安全なんですかあ?あ?
ボトックスではないけど安全ですう(たぶん)
韓国製の安いボツリヌストキシン製剤を信用していいのか心配な気持ちもわかるよ
韓国製が安いのには良くない理由があると考えたり、
お金があればアラガンやゼオミンなどのアメリカやドイツのブランドを使うのが一番安全だとどこかで読んだり誰かに聞いたりしたことがあるかもしれません。
韓国製ボツリヌスもいいもんじゃ
韓国製ボトックスの勘違い
ボツリヌストキシン製剤全般の話です
ボトックスは30年前から行われている施術で
韓国製を含むボツリヌス製剤は数え切れないほどの研究や調査によって
正しく使用すれば、副作用がほとんどなく、
そのほとんどが非永久的なものであることが証明されています。
ボトックスは、筋肉運動障害などの臨床目的で使用されることもありますが、最もよく知られているのは美容目的での使用です。
シワを取るだけでなく、顔の輪郭を変えたり、予防目的でもボトックスの使用が広まっています。
しかし、ボトックスを使い慣れた人でも
ボトックスはどのブランドでも有効で安全なのですかあ?あ?
という疑問を持ち続けていると言われています。
その理由は(顔の)一部が「動かせなくなる」というイメージです。
一般的なボツリヌストキシン製剤の効果説明
永久的な効果は期待できない治療です。治療後3~5日で効果が現れ(最終的な効果が目に見えるようになるには2週間ほどかかることもあります)、ほとんどの人で3~4ヶ月ほど持続します。持続期間は、患者さんの代謝スピード治療部位によって異なります。
韓国のボトックスに限らず、効果の差は無いに等しいそうです
唯一の違いは、結果が出るまでの時間で、ブランドによって「ピーク」の時間が異なるようです。
一般的にはどのブランドも1週間程度で効果が現れます。
ブランド毎の差別化としてよく言われるのが
ボトックスを頻繁に使用することで生じる耐性
についてです。以下のような感覚で使用している先生が多いのではないかと思います。
製品別メリット&デメリット
安心材料としてよく出てくるFDA承認のボツリヌス製剤4品のメリットデメリットを比較します
ボトックス / BOTOX
- メリット
-
あらゆる部位の治療に適しています。特に小さな部位の治療に適しています(例:目尻の小じわなど)
- 実感
-
3-5 日
- 効果持続
-
3-4 ヶ月
- 平均使用単位
-
額の治療で20単位
- デメリット
-
時間の経過とともに抗体抵抗性が生じる可能性があります。
製品解説
ボトックスの説明を読む
ボトックスは、アイルランドの製薬会社アラガン社の製品で、世界シェア80%とも言われています。
ボトックスビスタは厚労省(日本)でもシワ治療で唯一認可しているボツリヌス製剤です。
FDA承認。2002年4月に、眉間のしわを改善する一時的な美容治療としてFDAに承認されました。
その後、額のシワや目尻の小じわ(カラスの足跡)の治療にも使用されるようになりました。
アラガン社は、分子量900kDaのA型ボツリヌス毒素に保護タンパク質を加えて製剤化していますが、一部の患者には時間の経過とともに抗体ができて治療効果が低下する可能性(耐性)があると言われています。
ボトックスの不活性成分には、ヒトアルブミン(すなわち血漿タンパク質)および塩化ナトリウムが含まれています。
ボトックスには、片頭痛、多汗症、眼球痙攣などの治療用の製品もあります。
※アメリカのアラガン社なイメージがありますがアイルランドです。
ディスポート / Dysport
- メリット
-
発現時間が早いため、直前の治療に適しています。拡散するため、広い範囲(例:額)の治療に最適です。
- 実感
-
24 時間
- 効果持続
-
3-4 ヶ月
- 平均使用単位
-
額の治療で50単位
- デメリット
-
狭い範囲や、乳糖や牛乳タンパク質にアレルギーのある方には適していません。
製品解説
ディスポートの説明を読む
FDA承認。ボトックスと同様に筋肉の痙攣を鎮める治療法としても使用されます。
Medicis Pharmaceutical(Ipsen)社の製品であるディスポートは、分子量の差でボトックスよりもわずかに効力が弱いと言われていおり、1度に使用する量が多い傾向がみられます。(医師による)
どちらも同じ150kDaのBoNT-Aを核としていますが、核を囲む保護タンパク質の重量がボトックスは均一なのに対し、ディスポートの分子量は変化するといいます。
ナボタ / Jeubeau
- メリット
- 実感
-
3-5 日
- 効果持続
-
3-4 ヶ月
- 平均使用単位
-
額の治療で20単位
- デメリット
-
発売されて間もないため、長期的な安全性と有効性のプロファイルが確立されていません。
製品解説
ナボタの説明を読む
FDA承認。2019年2月に化粧品として承認されました。
分子量が900kDaでヒトアルブミンと塩化ナトリウムを配合しており、ボトックスの対抗馬となり得る成分構成で、さらに30%近く安い価格設定で販売されていますが、日本ではまだあまり馴染みのない製品です。(使用しているクリニックはあります)
まだ提供される臨床データが乏しい状況なのですが、試験の結果、Jeuveauはボトックスと同様の安全性と有効性を持つことが示されているそうです。
ゼオミン / XEOMIN
- メリット
-
ボトックスやディスポートに反応しなくなった人に最適です。
- 実感
-
5-7 日
- 効果持続
-
3-4 ヶ月
- 平均使用単位
-
額の治療で20単位
- デメリット
-
効果が実感できるまでに時間がかかる。
製品解説
ゼオミンの説明を読む
FDA承認。Xeominは、2011年7月に眉間のしわの治療薬としてFDAに承認されました。
最近では過剰なよだれの治療薬としても使われているらしいです。
メルツ社製のゼオミン(別名:インコボツリヌムトキシンA)は、複合タンパク質を配合していない点が特徴で、ボトックスやディスポートで耐性ができてしまった場合の切り札になる可能性があります。(ただし、不活性成分としてヒトアルブミンとショ糖が含まれています)
冷蔵保存する必要がなく常温で保存できるので、注射してもらう際に若干の違和感があるかもしれません。
ささやかな疑問を解決するコーナー
ボツリヌストキシンと結合させているタンパク質が製品ごとに違います
免疫細胞や体内で攻撃されて効かなくなったボトックスが本来の効果を発揮できないために起こるのが
ボトックス耐性
です。
このボトックス耐性は2つのタイプに分けられます
1つ目は、ボトックスが最初から全く効かない一次性の耐性
2つ目は、時間の経過とともにボトックスが徐々に効かなくなる二次性の耐性です。
投与回数を重ねるごとにボトックスの効果が薄れていく二次反応は、
ボトックスを高用量(1回の治療で200U以上)や頻回(3ヶ月以内)に注射した場合に起こりやすいと言われています。
これは、高用量または頻回の投与によってボトックスに対する免疫系の抗体が作られ、体がボトックスのタンパク質を攻撃するための理想的な条件となるためです。
また、ボツリヌス毒素を他の付属タンパク質と結合させた製品は、純粋なボツリヌス毒素よりも免疫細胞が攻撃できる領域が増えるため抵抗力が生まれやすくなります。
韓国製ボトックスが安いのは美容大国らしく韓国の競争原理のおかげだと言われています。
実際、韓国ではコスト競争が激しく海外ブランドよりも安価な韓国のボトックスブランドだけでほぼ成立しているそうです。
日本で使用されている韓国製ボトックスはFDAの認可を受けているものもあります。
ちなみに世界で4番目にボツリヌストキシン製剤を開発したのは韓国Meditox社のMeditoxinで、今では世界40カ国(60カ国とも)で流通していました。
アラガン社の「ボトックス」は20年以上の臨床実績と70カ国、700万人以上とも言われるの臨床実績には至りませんが、十分な供給量があったと思われる韓国製ボツリヌス製剤でした。
過去形なんだけどな!
メディトックスが当初の許可内容とは異なる原液を使用して書類を操作するなど、薬事法に違反
韓国産1号ボトックス「メディトキシン」…不名誉退場 – もっと! コリア (Motto! KOREA)
まあ、ね。
とはいえ、どんなブランドのボトックスであっても、医師の経験が最も重要であることを覚えておいてください。
ボトックスは本当にあなたに最も適した治療法ですか?
あなたがボトックス施術を検討している理由は、おそらく、シワを取りたい、アゴを細くしたい、小顔になりたい、ふくらはぎを細くしたい、というものだと思います。
ボトックスが体内に投与されると、体はボツリヌス毒素のタンパク質を外部の物質と判断して攻撃します。
例えば、顔のシワを取るには表情筋や皮膚のたるみ、肌の弾力性の低下などのシワの原因やシワの深さによって、ボトックス、ヒアルロン酸などのフィラー、糸リフトなども治療法があります。
Vラインを作るには、アゴボトックス、顎先にヒアルロン酸などのフィラー注入、リニアファームなどのHIFUで二重アゴを解消したり、BNLSなどの脂肪溶解注射を使うなどの治療法があります。
とくに顎のラインづくりはHIFUも人気です。
あごの脂肪の量、咬筋の量、あご先の形、あごの皮膚のたるみ具合など個人差があるので
どのメーカーのボツリヌストキシン製剤が自分に合っているのか
そもそも悩み改善の最適解がボトックスなのか、他の施術なのか
正確に知るためにも、医師に相談することが大切です。医師とのカウンセリングを受けるのが一番です。
信頼できる先生は自分で探してね!
ボツリヌス製剤の選び方
注目すべき点はタンパク質複合体の量です。
複合体内に含まれる異物の量が減ると、分子量とタンパク質量が減少します。異物が少ないほど、免疫原性を発現するリスクが低くなるという研究結果があります。
簡単に言えば、タンパク質の不純物が少ないボトックス製剤を選べば、耐性がつく可能性が低いのではないかと考えられます。ここにテキストを入力
Botox | Xeomin | Dysport | Meditoxin | Innotox | Coretox | Botulax | Nabota・Jeuveau | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
承認 | FDA | FDA | FDA | KFDA | KFDA | KFDA | KFDA | KFDA FDA |
ボツリヌス毒素のタイプ | Type A | Type A | Type A | Type A | Type A | Type A | Type A | Type A |
メーカー | Allergan アメリカ | Merz ドイツ | Ipsen イギリス | Medytox 韓国 | Medytox 韓国 | Medytox 韓国 | Hugel Pharma 韓国 | Daewoong Pharma(デウン製薬) 韓国 |
分子量 | 900kD | 150kD | ― | 900kD | 900kD | 150kD | 900kD | 900kD |
タンパク質複合体 | <5ng | 0.6ng | ― | ― | ― | ― | <5ng | ― |
価格感 | 高い | 高い | 高い | 安い | 中間 | 安い | 安い | 安い |
世界初のボトックス製剤。 | タンパク質複合体の量が少ないため耐性率が低いと言われているて人気がある。 | 世界で4番目に開発された製剤と言われている。 世界40カ国以上で販売されている。韓国で大人気らしい。 | 希釈不要ですぐに効くため、 長期的な信頼性が向上するらしい。 | タンパク質複合体の量が少ないため、他のボトックスに比べて耐性率が低いと言われている。 | 開発に韓国人医師が参加し、 韓国のトップクラスのクリニックで臨床試験を行った。 日本でシェア高めの印象。 | 不純物を低減した製品。 分子サイズはアラガン社のボトックスと同等の900kDa。 |
ゼオミン推しのデータだね!
平たく言えば、ボトックスは拡散性が低く、ディスポートは拡散性が高いことを説明している表なんだけど。
ディスポートがイチオシ!とは言い切れない理由
- ディスポートは製品比較で書いた通り一般的に他の製剤よりも使用量が多くなります。
(費用面ではボトックスと同程度で済むことが多いです。) - ディスポートはボトックスと同様にヒトアルブミンが配合されていますが、ディスポートには乳糖と牛乳タンパク質が含まれているため、牛乳アレルギーのある人には適していません。
- ディスポートは効果が24時間以内に現れると言われていて人気がありますが、効果の持続期間がそれほど長くないと感じる口コミも見かける製品です。
- 持続時間が短いのはデメリットでもありメリットでもあります。
毒素自体にも体内で耐性ができることを示す研究報告もあります。
心配であれば医師に相談してくださいね
聞かないとこんなことは教えてくれないよ!