
フィラーの種類と違いを教えてパセリちゃん!



フィラーってなに❓



フィラーは唇をふっくらさせたり、しわを滑らかにしたり、涙袋(目の下のくぼみ)を埋めたりする時に使う注入剤のことだよ
頬にボリュームを出したり、ほうれい線を消したり、ニキビ跡の凹みを目立たなくしたりすることもできます。フィラーを使って鼻やアゴを整形することもあります。



それってヒアルロン酸じゃない?



ヒアルロン酸はフィラー剤のひとつだね



フィラーの種類と特徴・違い
フィラー剤の種類
フィラー剤は、注入することによってボリュームを出すフィラーと、注入後の生体反応でボリュームを出すフィラーの2種類に分けられます。
フィラーで最も一般的なヒアルロン酸は前者にあたり、直後(または数日後)が効果のピークになります。
粘度や粒子のサイズ違いなどの種類があり、部位や用途によって使い分ける必要があるので、本来は患者側が指名買いするようなものではなく、予算の範囲内で医師に選択してもらうものです。



こちらから注入量を指定するのも違和感がありますね
ハイドロキシアパタイトも前者に該当するフィラーです。
コラーゲン、ポリ-L-乳酸(PLLA)などのフィラーは後者にあたり、注入することでコラーゲン産生を促すため効果のピークは注入後2~6週間後以降と言われています。
日本に限らず海外でもフィラーといえばヒアルロン酸の図式は変わりませんが、日本は諸外国に比べるとヒアルロン酸以外の治療が普及していないように感じます。
フィラー治療のポイント
- 10分~20分程度の短時間で悩みが解決できる治療法です。
- 低侵襲な治療法(非侵襲とも言われる)のため、ダウンタイムも最小限で済みます。
- 日本で受けられるフィラー剤のほとんどが副作用が出づらいと言われている体内に存在する成分(または類似する成分)でできています。
フィラー治療のデメリット
- 医師のスキルによって仕上がりに差が出るだけでなくリスクの度合いも変わります。
- フィラー剤の効果は一時的なものなので、維持するためには追加注入が必要です。
- 副作用が出た場合、フィラーの効果が続く限り持続する可能性があります。つまり、改善治療を受けずに副作用が消えるのを待つと数ヶ月かかることがあります。
- 一時的な反応・不快感は数日で収まる場合が殆どのようです。
- フィラー剤には粘度調整等の目的で他の成分が配合されているため、体内で生成される成分100%で構成されているわけではありません。
水光注射とフィラー治療の違いはなに?


水光注射は5~9針付いたチップを使ってアルロン酸をベースにした薬剤を肌に打ち込んでいく治療で、保湿、美肌効果を狙った治療です。
一方フィラー注入は注入剤によってボリュームアップを図ります。
- 水光注射の目的
-
保湿・美肌効果
- フィラー治療の目的
-
ボリュームアップ


ヒアルロン酸の注入治療
- 体内で生成される成分とほぼ同じ成分を注入するため副作用が比較的でないと言われています
- ヒアルロン酸は他の成分よりも時間の経過とともに自然に溶けて馴染みやすいと言われています
- 仕上がりが気に入らなければヒアルロン酸を分解する酵素「ヒアルロニダーゼ」で元に戻すことができます
アメリカ、スイス、フランス、韓国などで生産されたヒアルロン酸フィラーが多く出回っています。
日本で(世界的にも)最も一般的で定評のあるヒアルロン酸フィラーはジュビダーム(アメリカ)とレスチレン(スウェーデン)です。
薬事承認が取得済のフィラーで個人輸入することなく簡単に入手できるのも理由に挙げられます。
それ以外では、ベロテロ(ドイツ)、テオシアル(スイス)、スタイレージ(フランス)なども認知度の高いヒアルロン酸ブランドです



ニューラミスが資生堂製・日本産のフィラーのように説明しているサイトもありますが誤解です。韓国産フィラーです
韓国では認知度のあるイボアール(YVOIRE)、エピティーク(eptq)、ベルラストなどのアルロン酸ブランドも日本に代理店があるので比較的簡単に輸入できるはずですが、ほとんど見かけることはありません。



レアキャラだね!
韓国製ヒアルロン酸は「価格の割に良い」評判で、裏を返せばレスチレンやジュビダームほどの期待をしない使われ方をしているようです。
日本で流通していないものを含めると3桁種類あると言われています。
韓国国内でも評判の良くない製品もあるので渡韓して治療を受ける場合は注意が必要です。
ジュビダームの効果や違いについて


JUVÉDERM(ジュビダーム)はアメリカで売上No.1と言われているヒアルロン酸です。
フィラー剤には痛みを抑えるリドカイン(麻酔)が含まれているので、注入時の痛みや不快感を抑えることができます。クリニックによっては追加で麻酔クリームや氷などの用意があるかもしれません。
種類 | 持続期間 | 目的 |
---|---|---|
XC | ~12ヶ月 | 鼻と口の周り(鼻唇溝)を滑らかにする |
Ultra XC | ~6ヶ月 | 唇をふっくらとさせる |
VOLBELLA XC | ~12ヶ月 | 唇の縦ジワを目立たなくする |
VOLUMA XC | ~24ヶ月 | 加齢でコケた頬をふっくらとさせる |
VOLLURE XC | ~18ヶ月 | 鼻と口の周りのシワを柔らかくする |
レスチレンの効果や違いについて


Restylane(レスチレン)も、対象部位別のラインナップで構成されています。
レスチレンリフト(Lyft)は以前はパーレーン(Perlane)と呼ばれていたものです。
名称にLidoと付くリドカイン(麻酔)入りが流通しています。
種類 | 持続期間 | 目的 |
---|---|---|
Silk | ~6ヶ月 | 唇をふっくらとさせる |
Refyne | ~12ヶ月 | 鼻と口の周りのシワを柔らかくする |
Defyne | ~12ヶ月 | 鼻と口の周り(鼻唇溝)を滑らかにする |
Lyft | ~18ヶ月 | 加齢でコケた頬をふっくらとさせる 鼻ヒアルロン酸としても使われることがある |
ベロテロの効果や違いについて


Belotero(ベロテロ)は密度が低く薄いフィラーで、目の下などのデリケートな部分や細かなしわを埋めるのに適していると言われています。
ベロテロもリドカイン(麻酔)入りです。
種類 | 持続期間 | 目的 |
---|---|---|
VOLUME | ~12ヶ月 | 頬骨やアゴ |
BALANCE | ~12ヶ月 | 眉間、頬、口まわり |
INTENSE | ~12ヶ月 | ほうれい線 |
SOFT | ~12ヶ月 | ほうれい線や首のシワ |
CONTOUR | ~6ヶ月 | 口や鼻の周り |
SHAPE | ~6ヶ月 | 唇 |
ヒアルロン酸注入の副作用について
最も一般的な副作用は一時的な反応で、圧痛、腫れ、しこり・隆起、あざ、痛み、赤み、変色、かゆみなどで、1ヶ月以内(数日)に収まるものが多いです。



感染の方が怖いね!
ヒアルロン酸以外のフィラー



ヒアルロン酸以外のフィラー治療は全体の5~10%もないと思います
レディエッセの効果や危険性


Radiesseは人間の歯や骨に含まれているハイドロキシアパタイト(カルシウム)から作られています。
水性のゲル状溶液に含まれるカルシウムがコラーゲンの産生を促し肌の弾力を回復させた後、カルシウムとゲルは時間をかけて体内に吸収(最長2年程度)されます。
フィラーの中では最もリフトアップ効果が高いと評されることもあります。
用途は硬めのヒアルロン酸と変わりません。深いしわのほか、頬骨、顎、鼻、手の甲への充填に適しています。
ベビーコラーゲン(Humallagen)の効果や危険性


ベビーコラーゲン注射は、加齢によって体内での生成が遅くなり、不足するコラーゲンの生成を促す注射です。
ヒト胎盤由来の一型コラーゲンと2型コラーゲンが50%ずつ配合された製剤で目の下(目元の小じわ)に適したフィラーと言われています。
ベビーコラーゲン注射は、施術直後は少し腫れますが、水分が吸収された後に徐々にボリュームアップします。
ベビーコラーゲンとヒアルロン酸の違い
ヒアルロン酸フィラーは、注入直後(数日後の場合もある)が最もボリュームがあり、その後ヒアルロン酸は徐々に分解され効果が減衰していきます。
- ヒアルロン酸フィラー
-
注入直後(数日後の場合もある)が最もボリュームがあり、その後ヒアルロン酸は徐々に分解され効果が減衰していきます。
- ベビーコラーゲン
-
注入直後こそ水分でボリュームアップしますが、その効果は数日で減衰します。しかしコラーゲンの産生が始まると徐々にボリュームアップしていきます。
PLLA・PLA・PCL
皮膚の中でコラーゲンを作って肌そのものの自然なボリューム回復を促す治療法で、糸リフトでも用いられるポリ-L-乳酸(PLLA)で作られているフィラーです。
拒絶反応や免疫反応を起こさない生分解性ポリマーで、注入すると数日で水と二酸化炭素に分解され、その後はコラーゲンの産生によって肌の弾力が(数ヶ月~3年)回復していきます。
本格的な効果実感が1ヶ月経過以降になるので、ヒアルロン酸注入に慣れていると直後の満足度が下がる可能性があります。
日本の美容医療では馴染みのないPLLAフィラーですが、FDA承認から20年以上の歴史がある、世界的には認知度のあるフィラーです。
New-Fill(ニューフィル)・Sculptra(スカルプトラ)・PLLA


ニューフィル(スカルプトラ)はPLLAフィラーで最も有名な製品で他製品は99%見かけません。
アメリカでの商品名がSculptra(スカルプトラ)、欧州での商品名がNew-FILL(ニューフィル)だったため、日本で導入しているクリニックでも「スカルプトラ・スカルトラ」と表記・併記しています。(スカルプトラとニューフィルは同一製品です。)
FDAが当初HIVに関連した顔面萎縮治療薬としてのみ承認した経緯をもつフィラーで、唇や目の周りなどへの使用は推奨されていません。体重減少や加齢による顔のボリュームダウンで使用されているようです。
スカルプトラは皮膚のコラーゲンの再生を促す物質のみを注入し、注入した物質自体はボリュームを作るための媒体であって、ヒアルロン酸のようにフィラーそのものでボリュームを出す効果はありません。
また、スカルプトラにはヒアルロン酸フィラーのような皮膚の壊死や失明などの血管系の副作用はないと言われています。
これは、PLLAが非常に小さな粒子であり、血管を塞ぐことができないからです。
McCoom(マックーム)・PLLA


McCoom(マックーム)はマイクロニードルRF「POTENZA(ポテンツァ)」治療で推奨されている韓国製PLLAです。
専らニキビ跡(瘢痕)治療用のドラッグデリバリー製剤として流通しており、ほうれい線やしわ治療での臨床データを現時点で入手することはできません。



ニューフィル(スカルプトラ)と比較すると粒子が細かく肉芽腫形成リスクが低いそうです
エステフィル・PLA


AestheFill(エステフィル)は、スカルプトラとは分子構造の異なる韓国製PLAフィラーです。作用機序はPLLAと同じく注入後は水と二酸化炭素に分解される生分解性のポリ乳酸です。
エランセ・PCL


ELLANSE(エランセ)は、粒子状に加工したポリカプロラクトン(PCL)でできた生体適合性のあるバイオフィラーです。麻酔や水分で溶解して注入します。
PCLが体内に吸収されるまでの間、PCL周囲では線維芽細胞が活性しコラーゲン産生を促します。
フィラーそのものでボリュームアップするには不適な部位(小じわ)の治療に選ばれることがあります。
種類によって2年~4年効果が持続すると言われています。
PLA・PLLA・PCLは探せば他にもあるようですが、日本で流通しているフィラーは上記製品が主と思われます。
PLLA(スカルプトラ)とPCL(エランセ)の違い
主成分 | 製品名 | 原料 | 吸収される過程 |
---|---|---|---|
PLLA | スカルプトラ | 植物から抽出可能なAHA系合成ポリマー | コラーゲン生成を促進した後、代謝(水、二酸化炭素)分解・吸収される。 |
PCL | エランセ | 手術用の縫合糸などに使用される医療用高分子材料 | コラーゲンの生成を促進した後、代謝(水、二酸化炭素)分解・吸収される。 |
CMC | エランセ | アルカリに溶解したセルロースにモノクローナル抗体を反応させて製造したもの | フィラーの粘性を高め、皮膚組織に水分と栄養を供給してから4~6週間後に水分として吸収される。 |
この違いにより、スカルプトラとエランセでは原理と効果が変わります。
簡単に言うと、1ヶ月以内のボリュームアップは、ヒアルロン酸>エランセ>スカルプトラの順で、6ヶ月後のボリュームアップは、スカルプトラ=エランセ>ヒアルロン酸の順であるということです。



どちらを選んでも一長一短なので、ヒアルロン酸が選ばれやすいのだと思います
成分と原理の違いで、顔の部位によってどのフィラーが良いかが変わってきます。
例えば、スカルプトラはコラーゲンの多い部位では大きな効果を発揮する可能性がありますが、額のような皮膚が薄くコラーゲンの生成量が少ない部位ではエランセやヒアルロン酸フィラーの方が効果が出やすいと思います。
PLLAとPCLの違い
スカルプトラとエランセは、治療後の管理方法が大きく異なります。
- スカルプトラ(PLLA
) -
治療後に十分なマッサージを行い、PLLA成分が皮膚に均一に広げる必要があります。
- エランセ(PCL)
-
コラーゲン産生を促すPCLの他にCMCと呼ばれる成分も混合されているため、スカルプトラのように土台をつくるだけでなく、直接ボリュームを作る働きもあります。
ボトックスとフィラーの違い
ボトックスやディスポートのようなボツリヌス毒素の注射もフィラーだと思っている人がいますが、その作用は全く異なります。
フィラーがボリュームを出すのに対し、ボトックスのような神経毒は筋肉を弛緩させて、しわを滑らかにします(さらにシワが増えるのを防ぎます)。
顔の若返りに治療ではボトックス治療とフィラー治療は組み合わせて使用することが多いです。
脂肪注入とフィラーの違い
脂肪注入(脂肪移植)は、自分のお尻や太もも、お腹の脂肪を使って、頬や唇にボリュームを与えたり、鼻唇溝や目の下の涙袋を埋めたりします。日本ではCRF(コンデンスリッチファット)という技術で採取した注入法が人気があります。
施術時間はおよそ2時間、ダウンタイムは1週間から10日程度かかります。
傷口はカニューレ挿入部位の傷穴のみですが、赤みや青あざのようになることもあるため、フィラー治療と比べると敷居が高い方法です。
フィラー注入治療 を受けたことがない人へ
ヒアルロン酸の場合、クリニックによって量り売り(0.1㏄単位)で価格設定されていたり、部位毎の価格設定だったり、1本単位だったりします。予算と希望に見合った提案がもらえるか、事前にHPで確認しておく方がスムーズです。
洗顔が必須のクリニックと、部分的なふき取りで済むクリニックの2パターンがあります。
表面麻酔を(希望)する場合、麻酔塗布から効果が出るまで20分程度待つ必要があるため、予約時に伝えないと断られることもあります。
ほとんどのフィラーにはリドカイン(麻酔)が含まれているので、表面麻酔は無くても大丈夫だと思います。



そもそも表面麻酔は刺す時の痛みは軽減できますが、注入圧による痛みが激減することはありません
医師によって・部位によってはマーキングをすることがあります。
マーキングをするから初心者ということもありませんし、マーキングしないから不安になる必要もありません。



仕上がり満足度なんて先生のスキルとセンスと相性が合うかどうかだよ!
ゆっくりとフィラーを注入し、指でフィラーを馴染ませ分散させながら均等になるようにさらに注入を続けます。
1回の注入にかかる時間はわずかで、よほど広範囲の治療でもないかぎり10~20分程度です。
過去に何度も同じ部位に注入している場合、残留フィラーが邪魔して時間がかかる事があります。
人によっては翌日にはわからないかもしれません。
ただ、治療後に注射部位に軽度のあざや腫れが出ることはよくあります。
腫れが完全に収まるまで2週間かかることもありますが、すぐにまたは2、3日以内に膨らみや肌の滑らかさを実感できます。
当日、翌日は日焼け、運動、アルコールを避けるよう指示されることがあります。
通常血管に刺さることはありませんが、出血時のリスク回避として服用制限を指示される可能性はあります。
事前にそのような確認があった場合には、同様の効果のあるサプリメントの服用制限についても確認する方が安心です。
フィラーの種類の他にも、注入量、代謝の速さなどによって変わりますが、6ヶ月から1年以上持続すると思います。
ただし、10日後の状態が6ヶ月後にも維持できているわけではありません。
一般的には複数回の定期的に注入しつづけると持続期間が長くなると言われています。
日本で受けられるフィラーはどれも安全なものだと思いますが、副作用は誰しも生じる可能性があるので安全とは言い切れません。
具体的には注入部位の赤み、アレルギー反応、といった一時的な副作用から、肉芽腫(皮膚の下の硬い塊)、隆起などの治療を必要とする副作用まで考えられるからです。
また、意図せずにフィラーを血管に注入してしまうと、組織の死滅を含む重大な合併症を引き起こす可能性があります。
注入する深さや量、方向で仕上がりは大きく変わります。そのため、解剖学を熟知した医師の方が仕上がりに満足できる可能性は高いです。
フィラー治療を受けるなら



臨床数よりも患者層が自分と同じかどうか確認してください
クリニックによって患者層が違います。
例えば若い世代の患者が多いクリニックは、フィラー治療のメインが鼻やアゴなどの造型でエイジングケアは不得手かもしれません。
特にアンチエイジング目的でのフィラー注入は、その他の治療手段の方が予算に見合った結果が得られることも考えられます。