【無料開業支援】勤務医のための美容クリニック独立開業の手引き

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失敗しない美容クリニック開業の手引き01-熟考する

押さえておくと開院後に失敗しないで済むかもしれない、美容クリニック開業時のポイントをゆるく解説していきます。

ゆるピヨ

第1回は「超真剣に熟考する」の巻!

この記事の想定読者
バナ皮仙人

美容クリニックが大好きなわしが後悔しない開業方法を伝授するのじゃ

独立開業を目論んでいる美容クリニック勤務中の先生や一般人

美容クリニック独立開業までのおすすめ手順

バナ皮仙人

コスパ最強は勤務医じゃ

美容クリニック(診療所)の独立開業を計画する際、軽いノリで物件探しからはじめる人や、開業をサポートしてくれる人や会社を探し始める人がたくさんいます。でもそのやり方は完全にお勧めしません

契約を急かしてくるサポーターは独立開業の覚悟が出来てからの方が良いです。

契約を急かしたり話を聞きつけていろいろ言ってくる人の種類

自称コンサルタント
自称コンサルタント
自称コンサルタント

物品の仕入れ先を紹介してくれたり他院の噂話を教えてくれる代わりに月額契約を提案してくる人がいます。開業前なら物件見学に付いてきてくれたり、開業後は経営会議を開こうと仕切ってくれたり気分的に安心できるので契約する先生が多いですが、たいてい戦略はなんにも立ててくれません。

コンサルティング会社
美容医療コンサルティング会社
美容医療コンサルティング会社

集客に強い系の会社と、開業・運用に強い系の会社があります。
使い時がそれぞれ違うので使い分けないと損します。
自称コンサルタントと違って組織で安心感がある反面、タスク毎に担当者が別々で連携がない会社と契約すると不満が溜まってイライラします。

両方満遍なくの会社はたいてい後者ですが、ギラギラ行きたいなら前者と付き合った方が良いです。

不動産屋
美容クリニック開業の不動産屋
美容クリニック開業の不動産屋

クリニック開業に限った話ではないので経験している人も多いと思います。
紹介される物件はどれも「すぐ申し込まないと埋まるかもしれない」と当たり前のことを急かすように言われます。
同業者にすぐ取られてしまうことも滅多にないので色々決めてから付き合い始めた方が条件と物件の折り合いが付けやすいです。

機器・材料メーカー・代理店の人
美容医療関係の営業マン
美容医療関係の営業マン

業界が狭いのでメーカー・代理店の営業さんの中には他のクリニックのことや競合品のことをフラットにいろいろ教えてくれる人がいます。フィラーや製剤の輸入代行を積極的に案内してくる会社にはいろいろ知っている人が多く、機械メーカー・代理店の人は自社取り扱い製品のことしか知らない人が多いです。

自称コンサルタントのように<会社には内緒で>個人コンサルティング契約を要求してくる人もいるので良い人だけがいるわけでもありません。

いずれにしても欲しい機械や材料の入手先を聞くためにお金を支払わなくても少しの時間と手間をかければもっといい情報が入手できる可能性あるということです。

独立開業の覚悟を決める7ステップ

STEP
勤務先の雇用条件を確認する

勤務先との今すぐ契約条件を確認してください。暗黙ルールとして退職6ヶ月前申告などあるかもしれません。
労働法を武器にすれば30日前でも大丈夫ですが、とても狭い業界なので無駄な争いは今後のデメリットにしかなりません。

ちなみに入居先が居抜きではなくスケルトン物件なら契約から開業まで6ヶ月以上かかります。

STEP
診療メニューを決める

吸排気・空調・上下水道・電力に関係する診療は物件の設備条件に関係してくるので事前に想定しておく必要があります。例えばオペ設備要件、ガス滅菌機の有無、200V電源を使うレーザーの複数導入などが関係してきます。

STEP
部屋数と機械設備を決める

部屋数が多すぎて困ることは家賃が高くなるだけですが、中途半端に部屋数が足りなくなると人員配置や売上に影響してきます。

STEP
診療日数を決める

自分が働くなら働きたい日数を、初めから医師を雇うつもりがあるなら年中無休で良いかと思います。

STEP
必要なスタッフ数を計算する

受付やカウンセラー、医師、事務員などの職種ごとに一人160時間/月で計算するのが基本ですが、2年目以降は有給休暇日数分の人が足りなくなるので、診療日数や診療室の数などの考え方にも影響してきます。

STEP
保健所に行き書類をもらって雰囲気を確かめる

どんな業者に開業支援を頼んでも開院前に必ず1度は会うことになるので、印象を良くするためにも下見がてら書類を取りに行くと良いと思います。

STEP
覚悟を決める

1~6でまとめたことを読み返して開業の覚悟を決めます。
その際に集客について甘く考えているようなら心改める必要があります。

顧客情報の持ち出しはNG

患者情報・カルテ情報を持って退職するのはモラル以前に個人情報保護法に抵触するのでやってはいけないことです。

診察中や治療中に患者本人から個人情報を聞き出すのもマナー違反です。
コアなリピーターには案内が許されるかもしれませんが、勤務先に必ず聞くのがマナーです。
基本的に集客は0からやり直しと思いましょう。

商圏調査や事業計画は覚悟を決めてから

開業までの流れでよく書かれている以下のような流れの実行は覚悟を決めてからで十分です。それまでは一人で考えた方が余計なバイアスがかからず理想のクリニックが作れます。

完全丸投げで作りたいなら勤務医で居続ける方がおすすめです。今の職場と折り合いがつかないなら、転職エージェントを使ってサクっと転職しちゃいましょう。

バナ皮仙人

自分以外を信じるとムダ金を使うことになるんじゃ

独立開業の覚悟を決める時によくある質問

雇われ院長として開業してもいいですか

経歴に傷がつくリスクがあるので管理医師になるのは慎重に検討した方が良いです

詳しい解説

最初から自分以外の医者を雇ってもいいですか?

ホームページやSNSを立ち上げただけでは集客できません。自身があるなら良いと思います。

詳しい解説

資金はどのぐらい用意すればいいですか?

物件賃料を含めると都心部で1億円だと上手くやらないと足らなくなるぐらいです。
詳しい解説

雇われ院長として開業してもいいですか

美容クリニックで働きたいなんて思っている医師はは一握り。

ゆるピヨ

仕事に困っている医者はいない!

だから常に採用は争奪戦&ワガママがひどい人がいます。

バナ皮仙人

美容クリニックの経営者は医者をこう見ているのじゃ

昔は医師免許を借りてクリニックを開く人もいましたが、今は規制が厳しくなりいろいろな制限があってそんなことはできません。そうなると医師免許を持たない人が美容クリニックを開きたい場合、医師免許を持った医師を雇いクリニックを開くしかありません。

管理医師とは、診療所を開設するのためにあらゆる公的機関に向けての責任者となる医者のことです。普通は管理医師本人が自分の資金で診療所を開設しますが、美容クリニックの場合は資金を出す人間あるいは会社が他にあることが多いのが現状です。

ちなみに管理医師として契約すると毎月給与とは別に管理医師手当を支払う形態が一般的です。

診療所の場合、最初から法人化は無理ですので、まず個人開設の診療所として開くことになります。誰が資金を出していようとも、その診療所の医療機関としての責任者は管理医師本人になりますので、相当な信頼関係がないと管理医師を引き受けるのは慎重になった方が良いです。

知り合いから「美容クリニックを開きたいんだけど管理医師になってもらえる?」と聞かれたら軽はずみに返事しないようにしてください。

もし何らかの理由で問題が発生した場合、責任を取るのは管理医師であり、いくら「自分が経営しているクリニックではない」と言い張ったとしても経歴に傷がつきます。

イケメン

自分の経歴に傷がつくことが怖かったら自分で開業しましょう

最初から自分以外の医者を雇ってもいいですか?

バナ皮仙人

自分の性格分かっておるのか?

美容クリニックは医者の世界では地位が低く、金儲けが好きな人が踏み込む領域です。
病気を治すクリニックとは違い、健康な人にメスを入れたり薬を投与したりレーザー照射をしたりするわけですから、本来の医療との差があって当然なのですが、金儲けが好きな医師が多くいることは間違いありません。

研究熱心で患者さんのために診療している先生もいますが、それでも価格設定は需給バランスを見ていると思います。

そんな業界で人を雇おうとすれば、必然的にお金がかかります。

  • 仕事に困っている医師がいるとしたら相当の問題がある医者しかいないのにそれでも採用争奪戦です。
  • 医者は自分の経歴に傷がつくことをとても恐れます。

お金の上積みが必要になってくる理由は他にももっとあると思いますが、要はお金がかかるのです。

資金はどのぐらい用意すればいいですか?

資金調達は税理士・金融機関に相談です。その際に必要となる要件はコンサルに頼らなくても銀行で案外教えてもらえます。信用金庫がおすすめです。

物件契約、採用経費、集客経費は想像以上にかかります。

採用経費

どこかの美容クリニックに患者として通っているならそこで腕のいい先生を直接くどく…それが1番手っ取り早い方法です。次に、もし知り合いに医者がいるなら「美容クリニックを開きたい知り合いはいないか」と尋ねて紹介してもらう。これも確実な方法です。それが無理なら、紹介会社を頼ることになります。

医師免許と人脈を持っている医者ですら、自分のクリニックの医者を雇う時には紹介会社を使うことが大変多いのが現状です。

ここで言う紹介会社とは、医師や看護師を専門に紹介している会社です。彼らはたくさんの医師や看護師のリストを持っており、どの業界にどれぐらいのキャリアがありいつ頃の転職を狙っているのかとデータを持っています。

「医師 紹介」とGoogle検索すればいくらでも出てきます。上のほうに出ている会社は、広告に力をかけていると言うことです。その広告費は皆さんが支払う紹介料で賄っています。紹介会社はほとんどどこも同じですが、データを多く持っているのは古くからやっているところです。

複数の会社に登録をし、その中で1番条件に合った医師を紹介してくれる会社を選びましょう。この場合大切なのは営業担当との相性です。担当の態度が悪い、あるいは話が通じないと思ったらすぐに別の会社に変えたほうが無難です。

医師の紹介会社に登録すると、細かい条件を聞かれます。
必要としている医者の年齢層、性別、経験、必要な免許、クリニックの所在地、管理医師か否か、給与などなど…まだ決まってないことまで詳しく答えないと一人も紹介してくれません。

さて。登録自体は無料の紹介会社が多いですが、医師の紹介を受け医師と雇用契約を結ぶと紹介会社へ紹介料を支払わなればなりません。
医師に払う年収の3割程度が目安です。後述しますが、これは看護師紹介も同様です。

医師の日当は安くて65,000円、高いと12〜13万円のこともあります。

管理医師手当はクリニックによって差がありますが、月に5万から10万程度の場合が多いです。

項目日給
給与2,200,000円
管理医師手当100,000円
想定年収27,600,000円
紹介手数料(30%)8,280,000円

週休2日と考え、月に22日勤務(100,000円× 22日)で2,200,000円。ここに管理医師手当を加え2,300,000円。

2,300,000円×12ヶ月で、2760万円。これの3割で、828万円を紹介会社に支払います。

このお金は医者が辞めても戻ってきません。(1ヶ月以内の早期退職などの場合は半額くらい返してくれます)

物件契約と同じで物件が決まって医者がないからと焦って決めるとろくなことがありません。家賃がもったいないですが医者はゆっくり選びましょう。

ここまでで医者を雇うにはかなりの費用がかかると言うことはご理解いただけたと思います。

お金がかかることがこれだけではありません。クリニックを開くためには、物件が必要です。オフィスのように物件を借りて机と椅子を運び込めば明日から営業ができるという手軽なものではありません。

物件経費

美容クリニックOKのビルは少ない

テナントとしてクリニックを受け入れるか否か、そのクリニックが美容クリニックでもいいのか等の事前確認が必要です。

美容クリニックを開くにはある程度立地も大切な条件になりますが、たとえ目をつけたビルに空室があったとしても美容クリニックの受け入れOKのビルはとても少ないと思って間違いありません。

クリニックの物件を探すのが得意な不動産屋はいくつかあります。東京、大阪、名古屋といった大都市は不動産屋もたくさんありますが地方都市の場合一握りの不動産会社が情報握っていることが多くありますし物件が空く何ヶ月も前から次の物件を探していることがほとんどです。クリニックを開きたいと思ったその日から、あらゆる人脈を使ってクリニックや歯科の退去予定の情報が入ってくるよう、情報網を広げておきましょう。

物件契約にかかる費用はおおよそ月額賃料の10ヶ月分ぐらいです。

物件を借りるために手付金や保証金などを支払う必要があります。マンションやアパートを借りるのと違い、テナントとして物件を借りるには手付金がかなり高いですし敷金も1年程度の家賃と同じくらいの金額を先に払わねばなりません。

手付金は一旦契約すれば手元に返金される事はありません。工事中も家賃はかかりますし、自分が契約した内装工事業者さんにも前金で何割かを支払う必要があります。彼らは工事のために材料を調達しますし、工事のための職人さんを都度雇う文化なので工事が始まる前にある程度の資金が必要なのです。

また、医者の人件費は非常に高いですし看護師にもそこそこ払わないといけません。

採用経費

クリニックを開院しただけではお客さんは来てくれません。ホームページ制作や広告は、外注することがほとんどです。製作費だけでなく、広告費をかけて継続的に運用していく運転資金も必要なのです。
あなたが医者であれば、比較的簡単に融資を受けることが出来るかもしれませんが借りたからには漏れなく返済がついてきます。
黒字転換するまでには数ヶ月〜一年かかることもありますので、ある程度の自己資金は必要です。

覚悟が出来たら第2回でもう少し細かく説明しています。


バナ皮仙人

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